『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んで

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー。
このタイトルもまたいいですね。
この前紹介した『あやうく一生懸命生きるところだった』同様、タイトルに引かれて手に取ってしまうじゃないですか。

ヤフーと本屋大賞による「2019年ノンフィクション本大賞」を受賞して話題になったこの本。
著者はブレイディ みかこさん。福岡出身、イギリス在住の保育士・ライター・コラムニストさんです。
主人公はその息子さん。「元底辺中学校」に通う彼の日常が描かれています。
格差や差別など、さまざまな問題に直面する日々。
読んでいてちょっと悲しくなるけど、それでも暗い気持ちになるばかりの本ではないし、読みにくい本というわけでもありませんでした。
身近な友達のブログを見ている感覚で読めたかな、という印象。

これを読んで感じたこと。うまく書けるかどうかわからないけど、率直に書きます。

息子さんかっこいい!

息子さんは名門のカトリックの小学校を出ているのですが、そのままカトリックの中学校に進学するということはしませんでした。「元底辺中学校」を選択したんですね。
それまでとは真逆の環境。人種差別や貧困など、数々の難しい問題に悩まされることとなったわけです。

そんな中でも強く生きる息子さん、私は単純に「すごい!」と思いました。
何がすごいって、まずいろんなことをしっかり考えてる。そして友達のために行動を起こしてる。
なかなかできることじゃないと思うんです。
私にはもう「かっこいい」としか言えない。

大切なのは、想像してみること。そのことを改めて教えてもらった気がします。
差別的な言葉を投げつけられたとき、ただ「嫌だな」と思うだけではなく、「どうしてこの人はそんなふうに言ったんだろう」と想像してみる。
そうすることで見えてくるものがあるんですよね。
それが問題解決への第1歩になる。

ここで取り上げられている事件、日本に住む私にはあまりなじみのないことのようにも思えますが、決して他人ごとではないんですよね。
私ももっと広い世界を見て、想像する力を磨かなければと思います。

楽しいのハーモニー

私、この学校の音楽部にすごく興味を持ちました。
音楽を思い切り楽しめる環境が整っているんですよね。レコーディング・スタジオまであるというくらい。

入学前、学校見学会で初めて聞いた音楽部の演奏を、著者はこう表現しています。
「楽器の音も声も動きも多種多様過ぎて、みんなバラバラなのになぜか一丸となっている」
それってどんな感じなんだろう。聞いてみたい。

でも、どうしてバラバラなのに一丸となっているのか。著者はその答えについて、「みんな楽しそうだから」と言っているんですよね。
すごくいいな、と感じました。楽しいのハーモニー、ですよね。

私たちが生きるこの社会も、そんなふうになったらいいと思いませんか?
いろんな人がいる。みんなバラバラ。
だけどそれを認め合って、一人一人が「楽しい」「心地よい」という気持ちで自分を表現できたら、きっとうまくいくはずだから。
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(Amazon)

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