あやうく一生懸命生きるところだった。
このタイトルに引かれました。
なんか、「やられた」と思った。こういうセンスがほしい。
Twitterでこのタイトルを見かけて気になったので調べてみたところ、韓国のベストセラーエッセイなんですね。
著者はハ・ワンさん、訳者は岡崎暢子さん。
40歳を目前にして突然会社を辞めたイラストレーターさんの物語。日本でも共感を集めているとか。
私の考えに近い本なのかなという気がして、読んでみました。
頑張らないのもありだよね
私、時々妄想するんです。「もし自分が本を出すとしたら…」って。
で、ふわっとした妄想ではあるのですが、本の内容はちゃんと考えてるんですよね。
どんな内容かというとですね、それは、「頑張らないのもありだよね」みたいな…。
ってちゃんと考えてるわりにはふわっとしてますけど。
障害者って、どうも「頑張る」ことが求められがちじゃないですか。そういう風潮をなんとかしたいな、と思ってまして。
そんな私にとって、この本には共感ポイントがたくさんありました。100万回のいいねを送りたい。
頑張る生き方はすてき。だけど頑張らない生き方もすてき。
大切なのは、周りに流されずに自分自身が満足できる生き方を選ぶこと。他人と比べないこと。
この本はそんなことを教えてくれているような気がするんです。
考えてみれば、私は自分を誰かと比べてばっかりなんですよね。
比べるの趣味か、というくらい。
誰かが学生時代に華々しい活躍をしたと聞けば、「学生時代かー。私は何やってただろう。お琴とかやってたなあ。でも全然うまくなかったしなあ…」と落ち込む。
SNSなんかで「友達とワイワイして楽しかったー!」みたいな書き込みを見れば、「友達かー。私グループって苦手だからなあ。みんなで楽しむとかできないなあ」と暗い気持ちになる。
比べても何の意味もないってわかってるのに。
ああ、勝手に比べて落ち込むのはもう卒業しないと。。
自尊感が低い人ほど自身を過大評価してる?
この本の中で特に印象的だったのが、自尊感(自己肯定感)に関するお話。
「自尊感が低い人ほど、自身を過大評価する傾向にある」といったことが書かれていたんですよね。
自尊感が低い人。はい、私です。
てことは、私は自分を過大評価するタイプってことになる。
まさか。そんなはずない。と思ったのですが…
読み進めてみて納得しました。
自尊感が低い人たちは、自分は素晴らしい人間だという幻想を持っている。その幻想と現実のギャップが大きいから自分が嫌になるのだ。そんな内容だったんです。
ここまで読んで、「私にも思い当たるところがあるかも」と気づきました。
著者のハ・ワンさんは、「ダメな自分を認めてから、逆に自尊感が向上した」と書かれています。
実は私にも、そんな自覚があったんですよね。
以前は、「自分はもっとこうあるべきだ」というのが常に自分の中にあった。でも30過ぎた辺りからでしょうか、いい意味でそれを「あきらめる」ことができるようになってきた。そして以前よりも自分を好きになれた。
そのせいでしょうか、今がすごく楽しい。
著者も、「本当に会社を辞めてよかったのかな」と悩むことはあるようですが、それでも今を楽しんでいる感じがします。
この頃は、エッセイがベストセラーになってさらに充実してるのかな。印税生活エンジョイ中なのかな。うらやましいー!
私なんてエッセイ書いたところで…
あ、いけない。人と比べるのはもう卒業って言ったばかりなのに。。。
ちなみに
この本、テキストデイジーで読んだのですが…
「ふりんをつかんで漂流していた」と読み上げられたところがあって、一瞬何かと思いました。
「うきわ」が正解でした。
まあね、前後の文脈から想像すればだいたいわかるけどさあ。。漢字も確認できるからいいんだけどさあ。。
「ふりん」って……。
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