全盲女子の大学生活を振り返ってみた

以前盲学校のことを書いたので、今回は大学生活について振り返ってみようと思います。

大学進学を決意した理由

私が大学進学を決意したのは、高校生のとき。
それまで盲学校しか知らずに育ってきたので、違う場所で学生生活を送ってみたかったんですよね。
今度こそ「友達100人できるかな」なんて期待もあって(^-^)
まあ100人は無理だとしても、とにかく同級生の女友達がほしかったんです。
そして、自分が本当に学びたいことを学ぼうと思ったわけです。
ということで、大学に進むことにしたんですね。

私の大学生活

入学してみると…

大学という場所に飛び込んでみると、そこはびっくりするほど華やかな世界でした。
みんなキャピキャピしていたり、「ウェーイ!」みたいな雰囲気だったり。
私、宇宙人にでもなったような気分というのか、とにかく完全に浮いてしまうよー…。というのが最初の印象でした。

戸惑うことの連続

そんな大学での日々は、戸惑うことの連続。
当然それまで過ごしてきた盲学校とは違い、どこにでも点字ブロックがあるわけではないし、当たり前のように点字の教科書やプリントがもらえるわけでもありません。
周りの学生さんや先生にサポートをお願いしなければならないことが多くて、コミュニケーションが絶望的に苦手な私にとっては過酷な環境でした(^^;
それでもみんな優しく声をかけてくれて、何とか乗り切ることはできたんですよね。本当に助かりました。

充実した支援制度

盲学校に比べると大変ではありましたが、障害のある学生にとって過ごしやすい環境は整っていました。
充実した支援制度があったんです。
例えば私の場合、授業中や休み時間に学生さんについてもらい、必要なサポートをお願いすることができました。
黒板に書かれている内容をノートに写してもらったり、買い物を手伝ってもらったり。
そのサポートのおかげで、私もあまり困ることなく過ごせたわけです。

テストを受けるときには、自分のパソコンを持ち込んで受けるということを認めてもらっていました。これ、カンニングし放題の状態ですよね。もちろんしなかったけど。

専攻は社会福祉

私が専攻していたのは、社会福祉。4年間まじめに(?)勉強して、奇跡的に資格を取ることができました。
現在は福祉関係以外の仕事をしていますが、そのとき学んだことは今の生活の中で役立っていると思います。
特に、福祉の仕事には欠かせない「相手の話を傾聴する」ということは、普段から大事にしています。

実習で10日間フィンランドに行って、フィンランドの福祉を学ぶことができたのも、とても貴重な体験でした。

人間関係に悩む

人間関係、それは私にとって大学時代の大きな悩みの種だったんですよね。
「友達100人」なんて最初は意気込んでいたけど、友達とどう関わっていくかというのは難しい問題だったんです。

みんな優しく接してくれて、それはすごくうれしかったけど、私はいつも余計なことを気にしていました。
一緒にいると助けてもらうことの多い私は、彼女たちの「友達」という存在とはちょっと違うのではないかと。
仲良くなりたいとは思っていても、自分から壁をつくってしまっていたんですよね。
「一緒に授業受けよう」と気軽に誘いたいのに、「一緒に授業、受けてもらっていいかな?」と1歩引いた誘い方をしている自分がいました。
今思えばもったいないことしてたなあ。

それでも幸運なことに、卒業してからも時々会ってくれるような友達が一人できました。彼女は吉本が大好きで、最近よく大阪に遊びに来てくれるので、私も一緒に吉本三昧しています♪

今も、スーパー人見知り気質が邪魔したりするものだから、友達をつくるのは得意ではありません。
そんな私ではあるけれど、昔の私にこう言いたい。「もっとありのままの自分をさらけ出せばいいんだよ。変に遠慮することはないんだから」って。
…今の自分にもそう言い聞かせています(^^;

お互い、いい意味での「図々しさ」のようなものを持って関わりあえたらすてきだなと思います。

まとめ

私にとって大学生活は、正直「すごくよかったー!戻りたーい!」というようなものではありません。
この道を選んで本当に正解だったのかと、悩んだこともありました。
でも、この道を選んだからこそ得られたものもたくさんあったことは確かです。
盲学校より大変ではあったけど、大学には自由な環境があり、いろんなことに挑戦できました。
もしその「自由」を体験していなかったら、私の今の生活はなかったかもしれません。
そう考えると、これも大切な思い出です。

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